2016年4月24日日曜日

復活節第5主日

この日のミサは、勝谷司教様、後藤神父様、そして今月の29日に司祭叙階式を控えている佐藤助祭の共同司式により行われました。司教様のお説教では福音の非暴力についてのお話がありました。


お説教の中でもご紹介されていましたが、
先々週の16日にローマで行われたカトリックの平和ネットワーク、パックス・クリスティ・インターナショナルとバチカンの正義と平和協議会の共同主催による3日間の国際会議に出席された勝谷司教様が、現地に千羽鶴を持参されました。この千羽鶴は北一条教会の信徒の皆さんが折ったものです。会議の後、イラクのシスターに手渡されたそうです。とても喜んでいたとのこと。




この国際会議には、世界中の紛争地帯から約80人の神学者や平和運動家たちが集まったそうです。最終声明文は、非暴力運動という福音のメッセージを探求するとともに、「非暴力と正義に基づく平和(Just Peace)に関する回勅を世界に伝えるよう」教皇フランシスコに上申されました。

声明文の日本語訳(勝谷司教FaceBookより)はこちらを↓


勝谷司教様のお説教の概要をご紹介します。

『復活祭が終わってから、フィリピン ミンダナオ島のイースタービレッジに行ってきました。
現地は、大干ばつによる影響で作物が全滅し、行政の無策に腹をたてた農民が一揆を起こし警官隊と衝突、多くの犠牲者が出るという悲劇的な出来事がありました。しかし、今回の悲劇の背景には、政治的な思惑も見え隠れしているようでした。ビレッジのあるキダパワンへ向かう道はすべて閉鎖され、一日遅れでのビレッジ到着となりましたが、外の騒ぎとは対照的に施設内は平穏であり子供たちも無事で、皆でバーベキューも楽しむことができたことが幸いでした。

フィリピンを後にしてから、一週間後にはローマで3日間の「非暴力」の会議に出席してきました。北アイルランド、クロアチア、南スーダンなど、かつての、あるいは今現在の紛争地域からも世界的に著名な平和活動家も多数参加していました。中でも北アイルランド問題で平和的解決に尽力されノーベル平和賞を受賞されたマイレッド・コリガン・マグワイアさんとお話をする機会も与えられました。また、南スーダンの司教との会話では、現地に派遣されている自衛隊に対しては、非暴力が徹底されているということから、地元からは厚い信頼を受けているという話も聞くことができました。

3日間缶詰の会議では、非暴力による抵抗は、暴力による抵抗に勝るということ、かつて正義の名のもとに行われた聖戦というものは絶対にありえない、ということなどが話し合われました。
「構造的暴力がはびこっていた社会にたいし、イエスは神の無条件の愛に根ざした新しい非暴力の秩序を宣言されました。イエスの非暴力は弱い無抵抗ではなく、行動としての愛の力です。イエスはご自分のビジョンと実践において、非暴力の神を顕し、体現されました。この真実が、十字架と復活によって明らかにされているのです。そして私たちが非暴力の平和構築を深めるように招かれます。」
会議の最終声明文は直接、教皇フランシスコに上申されました。』