2015年1月3日土曜日

1月1日 神の母聖マリア

新年明けましておめでとうございます。
今年も皆さまにとって幸せな一年でありますようお祈り申し上げます。

神の母聖マリアの祝日である1月1日は大変穏やかな天気に恵まれ多くの方がミサに参加されました。ミサは勝谷司教様、後藤神父様、森田神父様による共同司式で行われました。




御ミサでの後藤神父様のお説教では、今日の「世界平和の日」にあたり教皇様の言葉も引用しながら「新たな平和な社会をつくりだすのは、わたしたち一人ひとりでなければできない。」と 強調され、年の初めの祈り、希望、願いも今日だけに 終わらせることなく、常に思い起こし、持ち続けたいと 促されました。

ミサ後は、カテドラルホールで有志の方による「お雑煮」がふるまわれ、活気ある新年のスタートとなりました。


また、勝谷司教の年頭司牧書簡が発表され、配布されました。

後藤神父様のお説教をご紹介します。

『新年あけましておめでとうございます。
昨年は函館で新年を迎えましたが、今年は札幌でとても穏やかな元旦を迎えました。
気象のニュースをみますと日本海沿岸の地域の中には、暴風雪警報が発令されている
ところもありますが、幸い、札幌は昨日から降雪もなく元旦を迎え、暖かい一日に
なったような気がします。
天候が穏やかですと私たちの心も平和で穏やかになるような気がします。恵みも感じ
ます。皆さんとともに一年を迎えることができましたことを感謝したいと思います。

今、世界中の教会は神の母マリアを祭日とし、世界平和をこの地上に祈る日と決めま
した。
つい8日前、「いと高きところには、栄光神にあれ、地上には平和、御心に適う人に
あれ」
神様の照らしを受け、イエス様はそこに眠っていました。天使が現れ、神を賛美しな
がら、歌が夜空に響いたと聖書は伝えていました。
主の降誕から8日目にあたる今日、幼子は神の民の一員となり「イエス」と命名さ
れ、神の祝福を成就します。神の恵みと祝福がイエスの生涯をとおしてすべての人に
告げられる日となります。その幼子といっしょにこの一年を歩む私たちです。今、新
年を迎えて皆さんはどんな祈りをもって、この一年を歩き出そうとしていますか?皆
さんの心の中で新しい一年の始まりにあたってどんな願い、祈り、希望が見えている
のでしょうか。新年の幕開け、神の祝福のもとにこの一年の新しい歩みがあります。

世界の平和を祈る日でもあります。教皇様は改めて互いの平和を祈りあい、世界の平
和を祈って新年の喜びをともに分かち合うことができることを願います 今日、祈る
私たち一人ひとりの聖なる心からの祈りをいつも忘れることなく、この一年持ち続け
たい、思い起こしていたいそんなことを考えます。どうぞ、皆さん、今日一日、祈
り、希望、願い。今日だけに終わらせることなく、胸の中にとどめて、常に思い起こ
して、私たちの信仰の祈りとして、この一年と
もに歩みつづけられるように、私たちの信仰もまた照らしを受けたいと思っていま
す。
神が一人ひとりを呼び集めてくださったこの教会から、私たちがひとつになって、心
から祈り、その願いをもって新しい一歩を踏み出すことができるなら、それはどんな
に素晴らしいことでしょうか。そういう心も持ち続け互いに支えあうことができるな
らば、この共同体にどんなにか大きな力をもたらすことでしょうか。

世界平和を祈るこの日、わたしたち日本にとって、戦後70年を迎える一年ともなっ
ています。多くの人々は戦争体験を忘れようとしています。もちろん、若い人々は戦
争を知らない世代です。でも、繰り返し繰り返し戦争の悲惨さは、報道、テレビを通
してていつも私たちの上にふれられ、わたしたち自身が本当に平和を願い、そのため
の努力をしていかなければ、いつまたどんなことが起ころうとも、不思議ではないよ
うな世界だと思っています。
すべての人の平和を願い、その希望を持ち続け、神が照らすわたしたちひとり一人の
道を、その恵みの光の中で歩き続けなければならない。そのように召されていると言
えると思います。
わしたちが今日、この元旦の日、心の扉を開いて捧げる祈りが神の意向に適い、わた
したちに勇気をもたらし、励ましを与える日々となるように。

昨年暮れに選挙がありました。アベノミクスが囁かれても日本の社会では多くの人が
職を失い、若者さえ生活に希望を見失ってしまうような、混乱した状態が続いている
のが今の私たちの国でもあります。日本の政界、そして国際政治の社会の中にあって
もたくさんの不安がそこにうずまいているとも言えると思います。でも、夢や希望は
私たちの中から消えることはありません。私たちが神への信頼を失わない限り、神は
私たちをひとりも失うことなくいつも招いておられることを、わたしたち一人ひとり
は知っているからです。
教皇様もメッセージの中で、呼びかけています。新たな人類の社会をつくり出してく
ださい。新たな平和な社会をつくり出すのは、私たち一人ひとりでなければ作り出す
のはできない。そのことを心に誓い、行動することによって、社会は平和へと一歩一
歩近づいていくものと信じています。

今、新年をむかえて新たな出発を願い、祈っていると思います。社会の国の基本は家
庭にあると良く言われます。家庭が小さな基本のひとつであると、良く言います。そ
れぞれの家族の中の連帯を強め対話を大切にして平和と愛を証し出来る、そういうひ
とりひとりになり、家族がひとつになるなら、社会は変わっていくものと信じます。
わたしたち一人ひとりの平和はもちろん大切なことですが、まず家族のなかにいつも
平和が訪れる、そして家族を中心とする人間社会の中にもその光が届けらるように、
平和な光が満ちていくように努力していくことを誓いましょう。

マリア様を通して平和を祈る今日、聖マリアを模範とし、マリアのように目の前に起
こっている出来事をいつも心に留めて祈らなければなりません。幼い子供たちが 安
心して眠ることができる社会、世界を実現するのは私たち自身であるという決意をも
とに、この一年がスタートとなればと願います。
すべての人の上に、私たち一人ひとりの上に、世界中の人々の上に、神の祝福と恵み
を祈りましょう。新年を迎えた皆さん一人ひとりの上にも良き年が巡ってきますよう
に。

もうひとつ加えたいと思います。私たちの喜びのクリスマスが1週間前にありまし
た、まだ喜びのうちに包まれています。これまでにも何度か触れてきましたが、私た
ちが祝うクリスマスのうちにあっても、隣人の中に社会の中ではひもじい状況の中
で、その日を迎える人がいるということを忘れないでいたいと思います。つらい状況
におかれている人は、私たちの周りの世界にも大勢います。年末の飛行機事故に遭遇
した被災者、家族もまた同じ思いでこの1年を迎えたに違いありません。  

マリアにならい、どんなときにも友人を思いやる心を大切にできるようになりたいも
のです。貧しく暗く寒い状況の中で幼子を私たちに示してくださった神に、その父な
る神は幼子を通して私たちの歩むべき道をも示そうとしてくださったように考えま
す。自分の置かれた状況を見つめながら今の幸せを神に感謝し、平和のために歩むこ
とができますように。天使の賛美の声が今もなお、わたしたちにその喜びの声、賛美
の声を届けてくれています。
「地には平和が訪れますように。御心に適う人に幸せがきますように。」このみこと
ばを心に留めながら新しい一年を歩み出しましょう。』