8月22日(土)~23日(日)、札幌市北区にある藤女子大学において
2015年・カ障連第12回全国大会「障がいと共に歩む札幌大会」が開催されました。
両日ともに主の祝福を感じられるような穏やかな天候に恵まれました。
藤女子大学「キノルド館」
担当司祭 場崎洋神父様(大会を前に)
カ障連、日本カトリック障害者連絡協議会は、1982年7月にカトリック教会に所属する障害者を中心に連帯と交流を図ることを目的として結成されたカトリック教会の中にある障害者団体の横の連絡機関です。3年に一度、日本各地で全国大会が開催され、第12回目の今回は初めての北海道での開催となりました。
今大会の準備は前回の名古屋大会が終了した3年前にスタートしました。担当司祭の場崎神父様指揮のもと実行委員会が結成され、事務局長である菊地秀治さんを中心としてサポーターの輪が徐々に広がり準備が進められました。
最終参加者数は名簿上で483名、道外から約180名の参加があり、遠くは鹿児島教区、長崎教区からもいらっしゃいました。
大会運営を支えたボランティアのサポーター総数は180名。田中恵さんがデザインされた「わ」の文字がプリントされたお揃いのTシャツを身に着けて、案内、受付、会場、記録、典礼、会計、手話通訳、など様々な係りで役割を担当し、大会準備と当日の運営を支えました。
田中恵さんの作品「わ」
また、信徒によるサポーターの他に、要約筆記サークルの「ふきのとう」さん、「くまじー」さんの皆さんが1日中、聴覚障がい者向けに音声をパソコンで字幕に変換し表示される作業を担ってくださいました。
要約筆記サークルの方々
【1日目】
1日目の22日(土)午前11時からは、3年毎の大会と併せて開催されているカ障連総会が行われ、役員の改選などが決議されました。
昼食を挟んで、午後1:30からは開会式が行われ、カ障連会長 宮永久人さんから今大会の意義と今後目指す方向性についてのお話があり、続いて札幌大会実行委員長 高橋幸夫さんと札幌教区の勝谷太治司教様からは、参加者へ向けて「ようこそ札幌へ」という歓迎のお言葉がありました。
勝谷太治司教様(札幌教区)のご挨拶
カ障連会長 宮永久人さんのご挨拶
札幌大会実行委員長 高橋幸夫さんのご挨拶
続いての講演会では、北海道医療大学教授で福祉施設「浦河べてるの家」理事である向谷地生良さんが「病気の力~幻聴さんいらっしゃい~」と題して、4名の施設メンバーの方と共にお話しをされました。統合失調症というなかなか社会の中では理解されない障がいを抱え、社会の中で行き場を失くしかけた現メンバーとの出会いから、現在の浦河べてるを設立するまでの経緯、そして現在の活動の様子を、ユーモアを交えながらお話しをされました。
時折、会場は笑いに包まれましたが、統合失調症を患い幻聴・幻覚に悩まされる日々を、あからさまにさらけ出し、笑いに変えられるまでに至るには、一体どれほどの辛苦や絶望があったのか・・・。
周囲が、彼らの病気を障がいとして理解し受け入れることのできる寛容さ、障がいを抱えながらも生きがいを持って生活できる場の必要性を痛感させれました・・・。
講演会の様子
講演会の後は、10課題、29グループに分かれ分科会が行われました。
18時からは会場を移し、約200名が参加し懇親会が行われました。
【2日目】
2日目は、前日の分科会で話し合われた内容について、課題ごとに代表者の方から全体発表会が行われました。
教会が障害者とどう向き合い、どう受け入れていくのか、どうしたら共に「主の食卓」を囲むことができるか、など、教会や個人が抱えている課題や提言などが発表されました。
11:30分から、参加者全員がミサに授かりました。
勝谷司教様と12名の司祭団の司式により、共に「主の食卓」を囲み祈りを捧げました。
閉会にあたり担当司祭の場崎神父様から次のようなご挨拶がありました。
「皆さんここに来て下さり本当に有難うございます。
そして今日、イエス様が降りて来て下さいました。
私たち、障がいと共に歩む実行委員会は3年ほど前に発足いたしました。本当に希望を持ちながら前に進んで行こうという思いで一杯でした。いろんな事にも直面しました。それはまるでイエス様が、3年近くの公生活その間に弟子達がイエス様の後に従うような感じで、私たちは本当に弱い弟子達でした。
去年の7月に研修会をここで開きました。その時に、五つのパンと二匹の魚を持っている少年の話しをしました。まさしく私たちはイエス様の前で、五つのパンと二匹の魚しかありませんでした。
でも小さいものでも大きくしてくださる神の恵みを強く大きく感じました。申込みの締め切りが近付いていたとき、どんどんと参加者数は増え400名を超えて、500名になろうとしていたときに、どんどんと力が湧いてきました。イエス様が本当に私たちを招いてくださっていることを感じました。
そして、五つのパンと二匹の魚が今、より豊に、より美しく、より計り知れない神の業によって、よそおって下さいました。
一人一人の人生が主の食卓を囲むための働き手となることを願っています。
イエス様が私たちを招いて、順境や逆境、病気、老いと共に歩んでくださいます。
共にいるイエス様を心に留めて歩んで生きたいと思います。
最後に主に願って祈りを捧げたいと思います。
今回の大会に参加できなかった全ての障がいをお持ちの方々、病の中にある方々の上に、豊かな祝福をおくってくださいますように。私たちが祈りと奉仕によって、神様の働き手となり、神の国の到来を喜びをもって告げることができますように。
皆さん日々招かれている主の食卓でお会いしましょう。
この度は本当に有難うございます。
ご無事の帰宅を最後の最後までお祈りして、最後の挨拶に代えさせていただきます。
有難うございました。」
2日間の日程が終了し、大会は盛況のうちに無事閉幕しました。
今日、私たち一人一人の心と共同体のうちに“種”が蒔かれました。
私たちがこれから、その種を大きく実り豊な実として結ばせることができるよう、主のお導きをお祈りしたいと思います。
- 神に感謝 -