2020年12月20日日曜日

待降節第4主日

 ウルバン神父様からいただきました12月20日 待降節第4主日の福音メッセージを、聖書朗読箇所と併せてご紹介します。


 【福音メッセージ ウルバン神父様】


皆さん                     12月20日、待降節の第4日曜日


先週の日曜日、またその前の週に、私たちは洗礼者ヨハネの足跡を歩きました。ヨハネは夜の時、自分の洞窟の前に立って偉大なる星空に向かって手を上げ叫んだ姿を見たような気がします。“わが主よ、あなたはどこにいるのか、わが主よ、いつ来るのでしょうか。私は待っています”。その叫び声が心の中で響いていました。

またヨルダン川の畔で群衆を見回しながら叫んだこと:“あなたたちのうちに誰も知らない方が立っている”と。ヨハネの心に来るべき方のこと以外何もありませんでした。ある日、その方に出会って、自分の手で触れた時、ヨルダンの水の中に入れ伏すのを見た時、その時ヨハネは感動と喜びにあふれた。

今日は天使ガブリエルの後に付いて行きます。どこへ遣わせるでしょうかとガブリエルが考えたのではないでしょうか。都の立派な家のあ
るお嬢様へ?いえ、北のガリラヤへ、またその中の寂しい田舎、とても悪い評判のある村、“泥棒の巣”と呼ばれたナザレへ。ナザレ村になんの美しいものがあるだろうか、と天使が不思議に思ったかも知りません。こんな貧しい住まい、これは洞窟ではないでしょうか?

薄暗い中に入ると天使は14歳ぐらい若い女の子がみえた。いつも神の偉大さの前に立っているのに、神様の想像のなかに、こんな美しいことを見たことがありませんでした。この子はマリア、ミリヤムと、呼ばれました。広い野原の中、また何もない道端で咲いている花を見たことがありますか。この小さい花は自分の可愛いさ、自分の美しさを知りません。ただ静かに人の喜び、神の喜びのために咲いています。この質素な、素直な子は村の中で大きくなって、村の人々に毎日出会ったが、だれもこの子の美しさを知りませんでした。若いミリヤムでも自分は神様の喜びであったこと、この世のなかで光り輝く花であることも知りませんでした。天使ガブリエルは驚きながらマリアを見て、住まいの中の神の臨在を深く感じながら、この娘の前にひれ伏しました。

マリアは挨拶の言葉を聞いています。“おめでとう、マリア、主はあなたとともにおられます”。なんと美しい挨拶でしょう。私たちにもあんな言葉があったら、どんなに幸せでしょう。ルカの福音によると、マリアはこの言葉に胸騒ぎがし、いったい、何のことだろうかと思いまどった。本当に素直な方、自分が小さな者だと思って。天の使えが来て、いと高き方の母になってくれるかとの頼みを受けた時、何と答えたでしょうか。飛び上がって、“ああ、光栄でございます”と叫んだでしょうか。かえって神の使いの前にかがんでひれ伏した。“私は主のはしためです。お言葉どおりこの身になりますように“。

マリアのこの素直な言葉で新しい時代が始まって、私たちに天の門が開きました。このナザレの娘に感謝。その後の出来事は神秘に包まれて、若い女の子、マリア、と神の霊との出会いに言葉はもうありません。ただエリザベトとの出会いの時、心を少し見ることができます:”私の魂は神をあがめ、私の心は喜びに踊っています“。今日は少しでもマリア様と親しむことができるのは感謝します。 




【聖書朗読箇所】


永遠の神である父よ、

  あなたはひとり子イエスを世に遣わすにあたり、

  ガリラヤのおとめを選び、救い主の母となる使命をお与えになりました。

  わたしたちがマリアにならい、愛と喜びをもって主を迎え入れ、

  主とともに生きる者となりますように。

                    集会祈願より


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第1朗読 サムエル記下 7章1~5、8b~12、14a、16節


〔ダビデ〕王は王宮に住むようになり、

主は周囲の敵をすべて退けて彼に安らぎをお与えになった。

王は預言者ナタンに言った。

「見なさい。わたしはレバノン杉の家に住んでいるが、

神の箱は天幕を張った中に置いたままだ。」

ナタンは王に言った。

「心にあることは何でも実行なさるとよいでしょう。

主はあなたと共におられます。」


しかし、その夜、ナタンに臨んだ主の言葉は次のとおりであった。

「わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。

主はこう言われる。あなたがわたしのために住むべき家を建てようというのか。

わたしは牧場の羊の群れの後ろからあなたを取って、

わたしの民イスラエルの指導者にした。


あなたがどこに行こうとも、わたしは共にいて、

あなたの行く手から敵をことごとく断ち、地上の大いなる者に並ぶ名声を与えよう。

わたしの民イスラエルには一つの所を定め、彼らをそこに植え付ける。

民はそこに住み着いて、もはや、おののくことはなく、

昔のように不正を行う者に圧迫されることもない。


わたしの民イスラエルの上に士師を立てたころからの敵をわたしがすべて退けて、

あなたに安らぎを与える。

主はあなたに告げる。

主があなたのために家を興す。


あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、

その王国を揺るぎないものとする。


わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。

あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、

あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」



第2朗読 ローマの信徒への手紙 16章25~27節


神は、わたしの福音すなわちイエス・キリストについての宣教によって、

あなたがたを強めることがおできになります。

この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです。

その計画は今や現されて、永遠の神の命令のままに、預言者たちの書き物を通して、

信仰による従順に導くため、すべての異邦人に知られるようになりました。


この知恵ある唯一の神に、

イエス・キリストを通して栄光が世々限りなくありますように、

アーメン。



福音朗読 ルカによる福音書 1章26~38節


〔そのとき、〕天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。

ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。

そのおとめの名はマリアといった。

天使は、彼女のところに来て言った。

「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」


マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。

すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。

あなたは神から恵みをいただいた。

あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。


その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。

神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、

その支配は終わることがない。」


マリアは天使に言った。

「どうして、そのようなことがありえましょうか。

わたしは男の人を知りませんのに。」


天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。

だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。

あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。

不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。

神にできないことは何一つない。」


マリアは言った。「わたしは主のはしためです。

お言葉どおり、この身に成りますように。」

そこで、天使は去って行った。