2022年6月18日土曜日

6月19日 キリストの聖体

 ウルバン神父様の福音メッセージを聖書朗読箇所と併せてご紹介します。

 


【福音メッセージ】

キリストの聖体 2022年6月19日  

“あなた方が彼らに食べさせなさい” ウルバン神父


もう47年前の昔の事でした。その時20人位の12才から15才までの女の子達、ガールスカウトと共に韓国へ行きました。朝鮮戦争はもはや数年前に終わったのですが、森の中で隠れながら死を待っているライ病人は、まだあちこち見つけられた。フランシスカンの兄弟は、その病人の為に深い田舎で住まいを作って、一人の天使のシスターと共に世話をした。川の向こうから私達は暫くの間祈りながら、その村を眺めた。川を渡って、不安な気持ちで皆に捨てられた病人の村に近づいた時、ある藁小屋から人が出てきた。ある女の子がその姿を見て、ショックで倒れてしまった。

午後になって、別れの時が来ました。村の人は集まっていた。村の人たちを見た時、女の子達は自分の貧しさを感じた。何も助ける事も、上げる事も出来ない事を非常に悲しんでいた。突然、自分の前にいる人が病人だと忘れて、一人の子、また一人、後に皆は走り寄って来て、病人の両手を取って、泣きながらお別れをした。本当に何も出来なかったでしょうか。女の子達は気付かなかったが、最高の事をした。心から溢れる暖かさと愛を、村の人に与えたのです。餓えている心に食べ物を与えた。周りの人に無視され、捨てられたこの人達の心の乾きを、自分の涙で満たしたのです。感動的でした。その日その出来事を、今日まで忘れる事が出来ませんでした。

これからイエス様の所へ行きましょう。イエスは、ご自分の周りのおびただしい群衆を見ていた。もう三日間、付いてきました。食べ物はもうないし、疲れ果て、倒れるような羊のように見えた。イエスは彼らの餓えを深く感じた。体の餓えだけでしょうか。いえ。イエスは群衆を見回しながら、人の顔、人の目の中にもっと深い餓えを見ました。生活の厳しさと重荷に力が消え、心が餓えていた。その時、弟子たちに「あなた方が彼らに食べさせなさい」と言われた。それで、弟子たちは男の子を引っ張って来た。かわいそうな子。自分のパンを隠したのに、見つけられた。

ところが、イエスに優しく見つめられた時、一つ、また一つのパンを渡した。最後のパンを手に持っていた時、戸惑って、困った顔をした。「これは最後のパンだ。僕も食べたい」と。そのパンを手に持って、自分を囲んでジッと眺めた子供達の大きな目を見た時、心が打たれた。その時さっと手を伸ばして、最後のパンをイエスの手に入れた。イエスは微笑みながらその最後のパンを受け取って、この小さなパンで何千人を食べさせる事が出来た。男の子がそれを見て、最も喜んでいた。私達にも声が聞こえるでしょうか、「ご覧なさい、餓えている人が多い。あなたも食べさせなさい」と。

ある日、若い母親が薄暗い聖堂に入って来た、手にバスケットを持って。その中に泣いている子供がいた。母親はバスケットを聖櫃の前に置いて、暫く静かに祈っていた。そのうちに、泣き声が消えてしまった。祈った後、母親はまたバスケットを取って帰ったが、子供はもう静かに寝ていた。今日も御聖体ランプの光が輝いて、私達を呼んでいます。「私はいつもあなた達と共にいる。子よ、あなたの為に私の心の門は開いている。来て、昼でも、夜でも、私はあなたを待っている」と。


【聖書朗読箇所】

恵み豊かな父よ、

御子キリストは、その死を記念するとうとい秘跡を教会に残してくださいました。

主のからだを受け、救いの力にあずかるわたしたちが、主の死を告げ知らせることができますように。

集会祈願より


第1朗読 創世記 14章18-20節

いと高き神の祭司であったサレムの王メルキゼデクも、パンとぶどう酒を持って来た。

彼はアブラムを祝福して言った。

「天地の造り主、いと高き神にアブラムは祝福されますように。

敵をあなたの手に渡されたいと高き神がたたえられますように。」

アブラムはすべての物の十分の一を彼に贈った。


第2朗読 コリントの信徒への手紙一 11章23-26節

わたしがあなたがたに伝えたことは、わたし自身、主から受けたものです。

すなわち、主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、感謝の祈りをささげてそれを裂き、

「これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。


また、食事の後で、杯も同じようにして、

「この杯は、わたしの血によって立てられる新しい契約である。飲む度に、わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。


だから、あなたがたは、このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、主の死を告げ知らせるのです。


福音朗読 ルカによる福音書 9章11b-17節

イエスはこの人々を迎え、神の国について語り、治療の必要な人々をいやしておられた。


日が傾きかけたので、十二人はそばに来てイエスに言った。

「群衆を解散させてください。そうすれば、周りの村や里へ行って宿をとり、食べ物を見つけるでしょう。

わたしたちはこんな人里離れた所にいるのです。」


しかし、イエスは言われた。

「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい。」彼らは言った。

「わたしたちにはパン五つと魚二匹しかありません、このすべての人々のために、

わたしたちが食べ物を買いに行かないかぎり。」


というのは、男が五千人ほどいたからである。

イエスは弟子たちに、「人々を五十人ぐらいずつ組にして座らせなさい」と言われた。


弟子たちは、そのようにして皆を座らせた。


すると、イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで、それらのために賛美の祈りを唱え、

裂いて弟子たちに渡しては群衆に配らせた。


すべての人が食べて満腹した。

そして、残ったパンの屑を集めると、十二籠もあった。