2022年6月4日土曜日

6月5日 聖霊降臨の主日

 レイ神父様の福音メッセージを聖書朗読箇所と併せてご紹介します。




【福音メッセージ レイ神父】

2022年、6月5日、ペンテコステ祭

 聖霊降臨で聖霊を受けた使徒たちがまず最初に行ったことは、イエスに続いて神の国を告げ知らせることでした。漁師や徴税人たちが演説や説教をする者たちとなり、聖霊の力で、使徒たちの言葉はただ一回の福音宣言で三千人の人々の信仰に火をつけたのです。聖霊の圧倒的な力は使徒たちにイエスからの約束を果たさせました。そして使徒言行録は、使徒たちが奇跡やさらにもっと力強い無欲の生活の新しい道を含めて、偉大な行いを使徒たちがやり続けたことを私たちに語り続けるのです。自分本位の罪の束縛はとかれ、聖霊は私たちが再び罪に縛られることはないと約束します。

 聖霊降臨がやがてやってくることを知っていたイエスは弟子たち(私たちにも)に聖霊は父と私たちを結びつけるために働きつづけるのだと教えます。イエスは人類を十字架上のご自身の中に受け入れ、完全に聖なる、完全な人間として天に昇り、神の存在、そのものに私たちが入ることを許されました。イエスは、聖霊は私たちの内におり、そしていつも共にいる-聖霊の存在は、私たちに心を騒がせる必要はないことを確信させる-と約束されます。

 神学的な言葉では私たちは制限されているものの、神の三位一体に与りイエスと聖霊を通し、父である神を知り愛するようになります。ペンタコステという言葉は、父と子と聖霊がどのようにして完全に調和して互いに在るかを表すのに用います。そして今はもう、聖霊が私たちの内に宿るのですから、私たちもまた神の内に住むようになって行くのです。イエスがトマスに語ったように、父の家に場所を用意しにイエスは行かれたのです。それは用意され待っており、聖霊の導きにより私たちはそこへ向かうのです。

 これが私たちへの遺産です。イエスがなされている仕事にイエスと共に参加するためです。聖霊は、私たちを教え、慰め、そして私たちが父と子と聖霊に招かれているという事を常に指し示しています。私たちはクリスチャンとして、私たちの遺産は富や物の蓄積ではない事を知っています。一番大切な遺産はイエスとの関係です。弟子たちに約束なされた聖霊を通してくる関係です。この約束は聖霊降臨で実現され、そして今日も続いているのです。



【聖書朗読箇所】


すべての人の父である神よ、

  きょう祝う聖霊降臨の神秘によって、

  あなたは諸国の民を一つの聖なる教会に集めてくださいます。

  聖霊を世界にあまねく注いでください。

  教会の誕生にあたって行われた宣教の働きが、

  今も信じる民を通して続けられ、

  豊かな実りをもたらしますように。

   集会祈願より




第1朗読 使徒言行録 2章1~11節


 五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。 そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。 すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。

 さて、エルサレムには天下のあらゆる国から帰って来た、 信心深いユダヤ人が住んでいたが、この物音に大勢の人が集まって来た。 そして、だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまった。 人々は驚き怪しんで言った。 「話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。 どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか。 わたしたちの中には、パルティア、メディア、エラムからの者がおり、また、メソポタミア、ユダヤ、カパドキア、ポントス、アジア、 フリギア、パンフィリア、エジプト、キレネに接するリビア地方などに住む者もいる。 また、ローマから来て滞在中の者、ユダヤ人もいれば、ユダヤ教への改宗者もおり、クレタ、アラビアから来た者もいるのに、彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは。」




第2朗読 ローマの信徒への手紙 8章8~17節


 (皆さん、)肉の支配下にある者は、神に喜ばれるはずがありません。 神の霊があなたがたの内に宿っているかぎり、あなたがたは、肉ではなく霊の支配下にいます。 キリストの霊を持たない者は、キリストに属していません。 キリストがあなたがたの内におられるならば、体は罪によって死んでいても、“霊”は義によって命となっています。 もし、イエスを死者の中から復活させた方の霊が、あなたがたの内に宿っているなら、キリストを死者の中から復活させた方は、あなたがたの内に宿っているその霊によって、あなたがたの死ぬはずの体をも生かしてくださるでしょう。

 それで、兄弟たち、わたしたちには一つの義務がありますが、それは、肉に従って生きなければならないという、肉に対する義務ではありません。 肉に従って生きるなら、あなたがたは死にます。 しかし、霊によって体の仕業を絶つならば、あなたがたは生きます。 神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです。 あなたがたは、人を奴隷として再び恐れに陥れる霊ではなく、神の子とする霊を受けたのです。 この霊によってわたしたちは、「アッバ、父よ」と呼ぶのです。 この霊こそは、わたしたちが神の子供であることを、わたしたちの霊と一緒になって証ししてくださいます。 もし子供であれば、相続人でもあります。 神の相続人、しかもキリストと共同の相続人です。 キリストと共に苦しむなら、共にその栄光をも受けるからです。




福音朗読 ヨハネによる福音書 14章15~16、23b~26節


 (そのとき、イエスは弟子たちに言われた。) 「あなたがたは、わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る。 わたしは父にお願いしよう。 父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。

 「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。 わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。 わたしを愛さない者は、わたしの言葉を守らない。 あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではなく、 わたしをお遣わしになった父のものである。

 わたしは、あなたがたといたときに、これらのことを話した。 しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、 あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。