2022年3月5日土曜日

3月6日 四旬節第1主日

 レイ神父様の福音メッセージを聖書朗読箇所と併せてご紹介します。




【福音メッセージ レイ神父】


3月6日、2022年

四旬節第一主日

ルカによる福音書 4章1節―13節

イエスの誘惑の話を軽く受けとってはいけません。神のご意思からさ迷い出れば私たちの人生は破滅するかもしれないという警告なのです。一見すると、何の悪意もない良い願いです。飢えを満たすために神の力になぜ頼らないのか。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」誘惑者は言いました。イエスの答えは驚くものでした。「人はパンだけで生きるものではない、神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。」 私たちはいつも神の意志を何をおいても求めなければなりません。どの瞬間にも神の言葉に耳を傾けなければならず、神のご意思を求めましょう。

私たちに在る深い欲求とは物質的な食べ物や飲み物を満たす事ではありません。人間はさらに精神的な食べ物を求めるのです。飢えや悲惨さから人々を救う助けとなるためには、正義と一致への願いを私たちの良心の内に目覚めさせる父なる神に耳を澄ませる必要があります。

ことによると今日、私たちにとっての大きな誘惑は「パンへとものごとをかえてしまう」ということ、触れるもの、消費できるものに望みを下げてしまうということでしょう。無差別な消費主義は私たちの周りに満ちており、それは進歩や解放への道ではありません。消費主義社会は虚しさ、不満へと導いて行きます。なぜ自殺者の数は増え続けるのでしょう。なぜ門で閉ざした街で自分たちを守り、飢えた人々と富を分かち合わず、平和を乱されないようにと壁や柵を建てるのでしょうか?

イエスは、人はパンだけで生きるのではない、と私たちに気づいて欲しいのです。精神に滋養を注ぎ、愛、友情を理解し、苦しんでいる人たちとの連帯を育て、良心に耳を澄ませ、究極の分かち合いの神秘に心を開き、そしてそうすることが神と私たちを結びつけるのです。


March 6, 2022

First Sunday of Lent Year C

Gospel: Luke 4:1-13

The story of Jesus’ temptations is not to be taken lightly. It’s a warning that we can ruin our lives if we stray from the path God wills for us. The first temptation was decisively important.  On the surface it is a desire for something innocent and good: why not call on God power to satisfy our hunger. “If you are the Son of God, command that these stones become loaves of bread,”  the tempter says to Jesus. His reply is surprising: “One does not live on bread alone, but on every word that comes forth from the mouth of God.” We must always seek God’s will above all. At every moment we must listen to God’s Word, seek God’s will.。

Our deepest needs are not met by physical food and drink. Human beings need and yearn for more, for spiritual nurture. To help save other people from hunger and misery, we need to listen to God our Father, who awakens in our conscience a hunger for justice and solidarity.

Perhaps our great temptation today is to “change things into bread”, to reduce our desires to what is tangible and consumable. Indiscriminate consumerism is all around us, but it is hardly the way to progress and liberation. A consumerist society leads to emptiness and discontent. Why do the number of suicides keep growing? Why do we barricade ourselves  in  gated communities, and build walls and barriers to stop hungry people from sharing our prosperity and disturbing our peace?

Jesus wants us to be aware that human beings do not live on bread alone. We also need to nurture the spirit, know love and friendship, develop solidarity with those who suffer, listen to our conscience, open to the ultimate Mystery of sharing, that joins us with God.



【聖書朗読箇所】


全能の神よ、

  ひとり子イエスは、あらゆる誘惑に打ち勝ち、

  十字架の死に至るまであなたに従う道を歩まれました。

  四旬節を迎えたわたしたちが、

  復活への信仰と希望を新たにし、

  主とともに歩むことができるよう強めてください。

   集会祈願より



第1朗読 申命記 26章4~10節


祭司はあなたの手から籠を受け取って、

あなたの神、主の祭壇の前に供える。


あなたはあなたの神、主の前で次のように告白しなさい。

「わたしの先祖は、滅びゆく一アラム人であり、

わずかな人を伴ってエジプトに下り、そこに寄留しました。

しかしそこで、強くて数の多い、大いなる国民になりました。


エジプト人はこのわたしたちを虐げ、

苦しめ、重労働を課しました。


わたしたちが先祖の神、主に助けを求めると、

主はわたしたちの声を聞き、

わたしたちの受けた苦しみと労苦と虐げを御覧になり、


力ある御手と御腕を伸ばし、

大いなる恐るべきこととしるしと奇跡をもって

わたしたちをエジプトから導き出し、


この所に導き入れて乳と蜜の流れるこの土地を与えられました。


わたしは、主が与えられた地の実りの初物を、

今、ここに持って参りました。」

あなたはそれから、あなたの神、主の前にそれを供え、

あなたの神、主の前にひれ伏し〔なさい。〕



第2朗読 ローマの信徒への手紙 10章8~13節


では、何と言われているのだろうか。

「御言葉はあなたの近くにあり、

あなたの口、あなたの心にある。」

これは、わたしたちが宣べ伝えている信仰の言葉なのです。


口でイエスは主であると公に言い表し、

心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、

あなたは救われるからです。


実に、人は心で信じて義とされ、

口で公に言い表して救われるのです。


聖書にも、「主を信じる者は、だれも失望することがない」と書いてあります。


ユダヤ人とギリシア人の区別はなく、

すべての人に同じ主がおられ、

御自分を呼び求めるすべての人を豊かにお恵みになるからです。


「主の名を呼び求める者はだれでも救われる」のです。



福音朗読 ルカによる福音書 4章1~13節


さて、イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。

そして、荒れ野の中を“霊”によって引き回され、


四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。

その間、何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。


そこで、悪魔はイエスに言った。

「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」


イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」

とお答えになった。


更に、悪魔はイエスを高く引き上げ、

一瞬のうちに世界のすべての国々を見せた。


そして悪魔は言った。

「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう。

それはわたしに任されていて、

これと思う人に与えることができるからだ。


だから、もしわたしを拝むなら、

みんなあなたのものになる。」


イエスはお答えになった。

「『あなたの神である主を拝み、

ただ主に仕えよ』

と書いてある。」


そこで、悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、

神殿の屋根の端に立たせて言った。

「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ。


というのは、こう書いてあるからだ。

『神はあなたのために天使たちに命じて、

あなたをしっかり守らせる。』


また、

『あなたの足が石に打ち当たることのないように、

天使たちは手であなたを支える。』」


イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』と言われている」

とお答えになった。


悪魔はあらゆる誘惑を終えて、

時が来るまでイエスを離れた。